ワンポイントエリオット(4)05/09(日)10:15

ラルフ・ネルソン・エリオット
その後、エリオットは波動原理に基づいた株式相場予測レポートを定期的に一般の購読者向けに配信した他、1939年よりフィナンシャルワールド誌より「波動原理(The Wave Principle)」の連載を始め、さらに自身の理論に磨きをかけていきました。その後、エリオットが波動原理の数学的根拠としたフィボナッチ数を利用する根拠については、1940年から4年間にわたり執筆したレポートの中で「フィボナッチのダイナミック・シンメトリーの加算数列」という題目で紹介しています。そして1946年には、これまでの研究の集大成である「自然の法則-宇宙の神秘」を書き下ろし、その後まもなく彼は心臓病を患い、この世を後にします。彼が築いた波動理論は現代でも様々な団体やアナリストによって研究は引き継がれ発展しています。現在、何気なく使っている波動(ウェーブ)という言葉やフィボナッチを相場に活用するなど彼の残した功績は計り知れません。
現在、エリオット波動は、欧米はもちろんオセアニア地域や他の英語を話す人が多い国々(インド、シンガポール、香港等)に広く普及していますが、近年ではロシアなどにも有名なアナリストが出てくるようになり、投資家に注目されるようになりました。
特に米国では、権威ある米国のテクニカルアナリストの協会、CMT(Chartered Market Technician)による資格試験では非常に重要な科目でもあることから、プロの相場の分析者にとっては必要不可欠な相場の理論と位置付けられています。エリオット波動理論を活用することは、相場感を養うための近道でもあり、なによりも相場の道標として活用されることから、今後もその理論は深く相場の世界に生き続けることでしょう。

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ワンポイントエリオット(3)
ラルフ・ネルソン・エリオット
1934年、エリオット62歳。病気も小康し、快方へと向かってきたものの、まだ働けるほど快復しているわけでもなく、そうこうしている間に蓄財も底をつきはじめ、そんな時に、デトロイトで株式市場のニューズレターの編集者である(後にエリオットを世に知らしめるキーパーソンとなる)チャールズ・J・コリンズに、これまで研究してきて自身が発見した相場のパターンにつての理論を説明したいと手紙を送ります。最初はなかなか相手にしてもらえませんでしたが、エリオットはあきらめずにコリンズにコンタクトをとり続け、特に相場の節目についてのシグナルを電報で送り続けました。コリンズはエリオットが発するシグナルを注意深くモニターし、そして、その驚くほど完ぺきな分析に感服し、1938年、コリンズはエリオットの研究成果である「波動原理」を発表することにします。その時エリオットは66才です。


ワンポイントエリオット(2)
ラルフ・ネルソン・エリオット
エリオットはもともと会計士であり、中南米でいくつかの米国資本の会社の経営を立て直すことに成功したことで評判となり、その後、米国政府の仕事にも携わることになりました。しかし、55歳の時に大病を患い病床に伏してしまいましたが、折しもその時、世間は米国株式市場の上昇に沸いていたことからエリオットは株式相場に大きな関心を寄せることになります。エリオットはその時60歳。仕事もできず、すっかり痩せてしまいましたが、エリオットは、その後の生涯を米国株式市場の研究に捧げることになります。驚くべくは、後に天才と呼ばれたエリオットは、人生の大半は相場には無縁だったということです。


ワンポイントエリオット(1)
ラルフ・ネルソン・エリオット
エリオット波動理論は、ラルフ・ネルソン・エリオット(1871-1948)が考案した相場の動きについての波動理論であり、長い相場の歴史から得られた波動の経験則をガイドラインとして将来の相場予測に活用しようとしたものです。相場はいくつかのパターンがあり、エリオットでは、そのパターンやパターンで繋がれたサイクル動向を分析・予測していくことになります。波動には明らかに習性があり個性があります。エリオットはこれを自然の法則として理論を体系化させました。